人は自分にとって大切な人が殺されたりすると、犯人に報復したいと思う事がある。
犯人が警察によって逮捕されたとしても、死刑にならずに有期刑で済んだ場合は、遺族の怒りと悲しみはおさまらない。
ましてや、犯人が反省しておらず、笑みすら浮かべているのを見れば、殺してやりたいと思う人がいても不思議はない。
時が経っても遺族の心から悲しみが消えていないという場合、犯人が出所して来ると、何とかして懲らしめたいと思う人がいても不思議はない。
その人は自分で出来なければ、人を雇ってでも、出所した犯人を殺そうとするかもしれない。
さて、そうした心理に霊的な側面はあるのだろうか?
ある霊魂がこう言っていた。
「被害者の家族の心理にある復讐心は自然な感情です。自分の家族が死んだのですから、犯人も死ぬべきだ、という思いは自然な心理だからです。
それなのに、犯人が社会に出て来るのは納得できません。
ですが、法律の壁が立ちはだかります。
実は、そうした時、過去世の心理が甦る事があります。
例えば、戦争で人を殺して血が流れるのを見て怖かった、という体験を持つ人の心理が甦ると、復讐する事が怖くなります。
逆に、過去世で殺された人は、殺した人に対する憎しみが強く甦る事があります。
そうした人は、殺さずにはいられない、という心理になります。
誰かが、「復讐は空しい」と、説得しても、聞く耳を持てなくなります。
心の奥から湧いて来る思いが止められなくなるのです。
人の魂は複雑です。
意識の深い所では、復讐すべき、という過去世の心理と、逆の思いを持つ別の過去世の心理、双方が甦っている人がいる為です。
そのどちらの心理が表面の意識により強く影響を与えるかで、結果が変わってしまいます。
人の行動は表面の意識だけを見ていても、本当の事はなかなか分かりません。」
人は複雑な生命のようである。