昔、妖刀と呼ばれた刀があったらしい。
この刀を持っている人は人を切りたくなるとか、人の血を吸う剣だとか、いろいろと言われた刀があったそうである。
日本では刀も美術品である。刃を見ては、美しい、と眺める人がいるらしい。
刀を大切にする文化があるので、名刀も誕生するのであるが、妖刀と呼ばれる刀も登場するようである。
では、妖刀は実際に誕生しうるのであろうか。
どうやら、あり得るらしい。
人がうっとりとして刀を見る時、刀に人間の念が付く。その念を見た霊魂が幽気を付けてしまう。
普通であれば、霊魂の幽気は刀という物品には止どまりにくいのであろうが、現実はそうでもないらしい。
刀のようにずっと飾ってあったり、しまってあったりすると、幽気が動かないからである。その上、見る人の間気が付着したりすると、幽気が付いて離れなくなるらしい。
下の世界から来た霊魂の幽気が付いてしまうと、それが目印になってしまう。
刀を眺める人の側で、「切れ」、「切れ」という声が響く事もあるらしい。