霊魂学から見た宗教 13 宗教が戦争をする

Q1

日本では宗教が主たる原因で戦争をするという話は聞きません。

戦国武将との戦争はともかく、宗教の違いでは戦争にはなりにくいと思います。

一神教の国が宗教で戦争をするのはなぜですか?

A1

一神教だからというよりも、その宗教の本質なのです。

つまり、宗教聖典の内容が問題なのです。

日本の宗教は主として神道と仏教です。

神道も、仏教も、人殺しは悪です。神道は明確な教えがありません。ですが、仏教は固く禁じています。

人間以外の動物ですら、なるべく殺したくない、という教えです。

ですが、砂漠で生まれた宗教は全く違います。

殺す事を何とも思っていません。

代表的な宗教であるキリスト教とイスラム教は、ユダヤ教の聖典を元にしています。いわゆる旧約聖書です。

この旧約聖書が問題なのです。

旧約聖書では、神が人間に人殺しを命じてしまうのです。これでは、信者も人殺しをやめません。

旧約聖書の自称神は、自分に従う者は褒めますが、そうでない者には罰を与えます。

ですから、残酷な神なのです。

砂漠の宗教はその旧約聖書を前提にしています。ですから、旧約聖書の内容もある程度は知らないと真実が見えません。

旧約聖書によれば、モーゼが大勢の人々を連れてエジプトを脱出する時、ユダヤ人の家に目印を付けさせ、そうではない、エジプト人の子供達を神が皆殺しにします。

こんな神は仏教から見ればケダモノです。

更に、神はユダヤ人に、カナンの地に住む者を皆殺しにせよ、と命じるのです。

キリスト教徒達は神には深い考えがあった、というような言い訳をします。

ですが、そんな言い訳はしょせん、言い訳です。

人間は死刑囚であっても、裁判くらいは受ける権利があるべきです。

いくら昔だといっても、いくら気に入らない人達であっても、そんな命令は悪魔の所行としか言い様がありません。

全員が悪人の訳がありません。いろいろな人がいたはずだからです。

一方で、モーゼには、『汝、殺すなかれ』と、戒律を言い渡します。

つまり、自分の信者は殺すな、敵は殺せ、この発想が宗教戦争を生んでしまうのです。

 

Q2

では、違う宗教の人は悪人になってしまうのですか?

A2

そうです。ユダヤ教も、キリスト教も、イスラム教も、同じ聖書を信じています。

それなのに、大切な部分が違うから別の宗教なのです。

ユダヤ教では、イエスは救世主ではありません。

キリスト教では神の一人子です。

イスラム教では、イエスは預言者ではあっても救世主ではありません。

ですから、大事な事で考えが異なり、別の宗教なのです。

そうなると、似て非なるものですから、自分が正しく、相手が間違いなのです。

対立すると、自分の側は神で、相手はサタンに騙されている、と感じてしまうのです。

 

Q3

では、政治の力が正しく働かないと、宗教は戦争しやすいのですね?

A3

そうです。ですが、現代では厳密に信じる人達が少なくなりました。

宗教は直接の原因というよりも、背後の原因になりつつあるようです。

現代人には平和の思想もあります。ですから、昔とは違っています。

ですが、宗教聖典をきちんと読めば戦争になりやすいのです。

 

分かりました。

 

少し専門的な話へ戻る

タイトルとURLをコピーしました