1章 4 ある信仰者Ⅱ

この世の時間で数日経った時、Aさんはこの世いた。

先輩と一緒にいろいろな人を見て回った。

そして、知ったのである。この世には霊魂が大勢いる事を。

そうした霊魂はなぜか、一人一人で見え方が違っていた。見えやすい霊魂と見えにくい霊魂がいたのである。

 

先輩から聞いて状況が分かった。Aさんよりも下の世界からこの世に来た霊魂の幽体は見えにくく、同じような世界から来た霊魂の幽体は見えやすい。そして、Aさんよりも上の世界から来た霊魂の幽体も見えにくかったのである。

それは、人間の幽体も同じであった。

Aさんは霊魂になって幽体で暮らしていた。肉体はない。その為、肉体の目がなかった。

幽体の目では、人間の幽体しか見えなかったのである。

人間の幽体も霊魂と同じであった。Aさんから見えにくい幽体の人と、見えやすい幽体の人がいたのである。

 

この世をあちこち回ると、霊魂にイタズラされている人がいた。

イタズラされて不幸になっている人もいた。

イタズラしているのは、Aさんよりも下の世界から来た霊魂であった。

 

Aさんは先輩から聞いて分かった。下の世界から来た霊魂はあまりに退屈なので、人間にイタズラして喜んでいる者がいたのである。

これは、同じ霊魂として許されてはいけない事だと思えた。

Aさんがこの世で行なう活動は、そうしたイタズラする霊魂を説得して、やめさせる事だったのである。

 

この仕事には危険があった。イタズラしている霊魂が怒って暴力的になる場合があったからである。

そうした事を防ぐ為に、Aさんは先輩と一緒に行動する事になった。二人であれば、相手が一人ならば襲われないからである。

 

ある時、Aさんは太陽信仰の人を見つけた。Aさんと同じように、朝も夜も、日によっては昼も太陽や月に祈っていた。

その人の側に寄ると、祈りの内容が分かったのである。

人間同士の会話ははっきり分からないのに、祈りは分かったのである。

先輩が教えてくれた。

強く祈ると、念というものが出るので、霊魂に伝わるというのであった。

 

祈りは強くはっきりと祈らないと伝わらない事、そして、その祈りを伝えられるのは相手は、自分の幽体と性質が近い霊魂だという事を、Aさんは知った。

祈りが神に伝わらないのは残念であった。

しかし、それでも、誰にも伝わらないよりもましだと思えたのであった。

 

太陽神へ戻る

タイトルとURLをコピーしました