Q
天皇家は万世一系だと言います。万世一系というのは、天皇の血統が一つで続いている、という意味だそうですが、霊的にはどうなのですか?
A
実際に、途切れておらず続いているのかどうかは知りません。
ですが、そう言われています。
神武天皇の時代になると、どこから歴史なのか、どこまでが神話なのか、という問題があります。ですが、日本はそうした前提で歴史が流れてきました。
ですから、霊的にもそれを配慮する必要があります。
例えば、天皇が日本の中心だと考えて生きた人が他界します。
ですが、何らかの理由で、比較的、早くにこの世に戻ってきた霊魂が居るとします。
そうした霊魂は幽質界での生活が短いので、天皇に対する考えが変化する事もなく、この世に戻っている場合があります。
そうなると、天皇を崇拝しながらこの世で動きますから、この世で天皇に従わない人に意地悪する場合があります。
Q
では、真実はどうかよりも、そうした考え方があって、そうした前提で歴史が動いてきたことを知るべきなのですね。
A
そうです。実際には真実でなくても、そう思っている人達によって歴史が動きます。
そうなると、例えば、武士階級の人が政府を作っても、国王は別にいる、という事になります。
豊臣が徳川になっても、外国から見ると、日本の王は天皇という事になります。それなのに、交渉相手は幕府で、法律は幕府が作りますから複雑なのです。
Q
明治維新の時も、天皇を担げば官軍になりましたね。
A
そうなります。どちらが正しい、という問題ではなくなってしまいます。
Q
それは、やはり、天皇が天照大神の子孫という事になっているからですか?
A
そうです。そうした家系であるという、歴史と伝統の重みです。
Q
霊魂学的に見て、天照大神が実在した場合、その子孫が天皇家という事は有り得ますか?
A
ありません。
天照大神は神話の中では天におられる神のはずです。
高天原には日本の国土ができる前から神々がおられた事になっていますから、神話の中の高天原は天であり、この世ではありません。
天の神は肉体を持つ存在ではありません。水波霊魂学で言う神体の存在です。
肉体を持つ存在は天では生きられるはずがないからです。
仮に、宇宙空間だとしても、肉体を持つ存在であれば、空気のない所では生きられません。
ですから、やはり、この世ではないと言えます。
そうであれば、その子孫がこの世に肉体を持って降りる事はありません。
降りるとすれば、肉体を持つ人間の赤ちゃんに入る、という事になります。
そうなりますと、その赤ちゃんの魂は天照大神の子孫と言えても、肉体的、血統的には、赤ちゃんの親の遺伝を持ちます。
ですから、その赤ちゃんの子孫への遺伝は、人間の身体の遺伝です。魂は別ですので遺伝しませんし、子孫に受け継げません。
Q
高天原がこの世に実在したという説もあるようです。
この世にいた天照大神という人の子孫という説はどうですか。
A
問題外です。説明したとおりです。高天原は天でなければ理屈が合いません。
神話はしょせん神話ですから、あくまでも現実ではありません。物語です。
ですが、それを前提にして天皇家の権威が成り立っています。
天照大神は岩の中に隠れると真っ暗になる、という存在です。つまり、太陽神のような役割です。
天皇家は天の神としての天照大神の子孫と言うから貴いのであり、天照大神が人間であれば、単なる王にすぎなくなります。
高天原がこの世に実在したのであれば、天照大神は太陽神のごとしではありませんから、天皇家には神話による権威はなく、天の神の子孫ではなかった事になります。

