あるお通夜の祭壇には大量の低い幽気がありました。遺体の近くだけではありません。祭壇のあちこちに低い幽気がありました。
しばらくして、その訳が分かりました。
祭壇に飾ってあった生花を下ろそうとしている職員の後ろに、霊魂の集団がいたのでした。
その人には、どうしてなのか、大勢の霊魂が干渉していたのです。
職業の性質からでしょうか。そうとは思えません。もう一人、生花を下ろそうとしている職員がいましたが、そんな事はありませんでした。
一人の人に大勢の霊魂が憑いていた為に、祭壇が低い幽気でいっぱいになりました。
おそらく、遺体にも低い幽気が付いたと推測されました。
遺体になった人がすでに幽質界に旅立っていれば問題はありません。
ですが、まだ幽体が離脱していなければ、その人の幽体に低い幽気が付いてしまいます。
おそらく、幽体はすでに完全に離脱していたと思えます。
毎日、葬儀があります。中には、その時点でまだ離脱していない人がいると思われます。
かわいそうな事ですが、どうにもなりません。