2 この世に生まれるとは?

 


 スピリチュアリズムを信奉する人達の中には、魂を進化させる為にこの世に生まれて来る、という説を信じている人達がいます。
 これは間違いですか?


 間違いです。

 この世に生まれると、魂はむしろ退化します。

 


 どうしてですか?


 この世が物質の世界だからです。

 霊魂の世界は水波霊魂学で言う幽質の世界です。
 幽質の世界では命を食べません。幽気を栄養としています。ですから、動物や植物を殺す必要がないのです。

 家を建てたければ、念の力で幽質を変化させれば建ちます。ですから、木を切る必要もないのです。
 衣服も好きに着られます。

 そうなると、他の生命の命を奪う必要がありません。
 つまり、幽質の世界は他の生命を殺さずに済む世界なのです。

 ですが、この世は違います。
 どんな動物でも、この世に生まれたら何かを食べます。植物も生きていますから、生き物を殺さずに済む生命はいません。

 何しろ、道を歩くだけでも、厳密には小さい生命を踏みつぶしているのです。
 道路やビル、ダムを作れば、多くの小さな命が奪われるのです。

 この世に生きる、それは、他の生命を殺す事なのです。

 殺されるのは皆、嫌です。
 どんな動物でも、殺されそうになったら、必死に逃げたり戦ったりします。
 わが子が襲われれば、必死に守ります。

 人間だけではなく、生き物は皆、自分や家族を守りたいのです。

 幽質界ではそんな事は起きません。幽体は死なないからです。
 幽質界にいれば、少なくとも、他の生命を殺す事はありません。

 一方、この世は違います。
 どんなに立派な人でも、聖人でも、君子でも、毎日、他の生命を殺して生きているのです。
 こんな世界には生まれない方が良いのです。

 毎日、牛や豚は殺されています。魚も同じです。米や、麦も、同じです。せっかく大きくなったのに、根元から切り刻まれるのです。

 人は牛が殺される姿を直接見ないから食べられるのです。
 ペットが殺される所を直視できますか?
 できないのが普通の人です。
 ですが、豚や鳥であっても、殺される様は残酷なのです。

 そうしたシーンを見ないようにして、心の安定を保っているだけなのです。  

 どんなに生き物がかわいそうでも殺すしかない、こんな残酷な世界にいて、魂が進化するはずがないのです。
 そんな事を言う人は、まず、牛が出荷される所から殺される所までを、実際に見るべきです。     

 菜食主義であっても、同じ事です。植物も生きています。
 罪もないゴキブリやダニや蚊を平気で殺しています。彼らはただ生きているだけなのです。

 実際には、黴菌やウイルスですら生き物なのです。人間にとって都合が悪いだけなのですから。
 人間は自分の都合で殺しても良い動物と、そうでない動物を分けているのです。

 物質の世界に生きるという現実、それは、他の生命の命を奪う事に他ならないのです。

 


 魂を進化させる為に、他の生命を殺す、ということになってしまいますね?


 そうです。
      
 殺す事がスピリチュアリズムの人達の言う魂の進化なのです。
 心の性質が何かしら変化したからといって、許される事ではありません。

 まず、現実を見る事が大切です。

 

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